論文が出版されました!

D1大越さん, D2村上さん, OB青木さんの論文が出版されました!

Low-cost fabrication of graphene-based microelectrodes via SU-8 latent-pattern lift-off for organic microdevices, Arata Okoshi, Tatsuya Murakami, Toshiya Aoki, Shotaro Yoshida, Journal of Micromechanics and Microengineering, 36, 045013, (2026). [Link]

生体電気信号の計測に適する有機材料であるグラフェンを微細加工するためには複雑かつ高コストなプロセスが必要でした。本研究では、”Latent-pattern Lift-off”と名付けた新たな微細加工技術を開発し、極めて簡単にグラフェンマイクロ電極(最小約2 μmサイズ)を製造できることを示しました。

具体的には、まず予めフォトマスクを介してマイクロパターンを露光しておいたSU-8フォトレジストに対して、通常ならすぐに現像するところそのままの状態にします。その状態を露光された潜像(latent-pattern) SU-8と呼びます。その上にグラフェンナノプレートレットをエタノールに溶かした「インク」をスピンコートしたのちに、グラフェンナノプレートレット膜を貫通させるように現像し、潜像部分以外をSU-8とグラフェンごとリフトオフすることで、従来法では最小20 μmまでしか製造できなかったリフトオフ法による簡便なグラフェン電極製造法をより高解像度にできることを明らかにしました。

さらに本手法によって神経細胞の電気計測に適する低インピーダンスかつ電気刺激に適する高容量のバイオセンサを構築できること、マイクロアクチュエータのためのマイクロヒーター用電極を構築できること、そしてゲート・ドレイン・ソース電極として利用することで超高感度のバイオセンシングへの応用が期待されている有機電気化学トランジスタを構築できることを示しました。

さまざまな有機物マイクロエレクトロニクス・バイオMEMS技術においてこの簡便なグラフェン電極の作成法は有用であると考えて、さらなる応用研究を進めていきます。